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遺言書が持つ効力について

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遺言書が持つ効力について

■遺言書は全て有効?
遺言書は、その形式が法律で定められており、要件を満たしていれば有効となります。すなわち、要件を満たしていない遺言書は無効となってしまうため、例えば、日付が記入されていなかったり、署名・押印がなかったりする場合は、その遺言書が効力を有しないこととなります。

■遺言書の持つ効力
遺言書に次の項目を記載することで、被相続人の意思通りに相続手続きをしてもらうことができます。

①相続人の廃除
②相続分の指定
③遺産分割方法の指定、分割の禁止
④遺贈について
⑤子の認知
⑥後見人の指定
⑦相続人相互の担保責任の指定
⑧遺言執行者の指定、指定の委託

これらを遺言書に記載することで、例えば、特定の法定相続人を相続人から外して遺産相続させないといったことや、特定の者に法定相続分より多く、または全財産を相続させることなどが可能となります。また、遺言書には有効期限はありません。

遺言書を裁判所に届け出す前に開封してしまった場合は、5万円以下の過料が科される可能性がありますが、遺言書の効力自体に影響はありません。

■遺言書の効力の例外
もっとも、遺言書を用意していても、あらゆる場合にその記載通り相続手続きが執行されるわけではありません。

まず、第一、二順位の法定相続人には、「遺留分」と呼ばれる、法律上得ることを保障されている最低限の遺産の取り分が認められており、その遺留分よりも相続する財産の割合が少ない場合、それらの相続人は「遺留分侵害額請求」をすることができます。
よって、特定の者に全財産を相続させる、という内容の遺言書であっても遺言書自体は有効ですが、上記の遺留分権者が遺留分侵害額請求をした場合には、結局不足額相当分を渡さなければいけないことになります。
もっとも、全財産を相続人以外の特定の者(愛人など)に相続させる旨の記載がある場合、その特定の者の同意があれば、遺言書に従う必要はなくなります。しかし、現実的に特定の者の同意を得られる可能性は低いため、上記の遺留分侵害額請求で解決を図ることになるでしょう。

また、遺言書の内容に納得がいかない場合は、相続人全員の同意があれば、その遺言書は効力を失い、記載通りの分割等をする必要はなくなります。もっとも、1人でも同意しない相続人がいれば、遺言書が優先となります。

司法書士 竹内康二は、相続問題でお悩みのお客様を、確かな知識と経験で力強くサポートいたします。
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