■認知症発症後の家族信託は可能?
家族信託は、認知症等で判断能力が低下または喪失してしまった家族の財産について、管理や処分などをその家族が行うことができる制度であり、家族間での「契約行為」です。
認知症等で判断能力がない者は、契約行為を行うことができないため、原則として、認知症発症後は家族信託ができません。
しかし、認知症が軽度である場合には、例外的に家族信託ができる可能性があります。
契約行為ができるか否かの判断基準は、判断能力の有無です。もっとも、医師に軽度認知症(MCI)と診断されれば必ず家族信託をできるというわけではありません。家族信託契約を締結する場合、契約書は公正証書で作成されることが一般的であり、その際には公正役場で「公証人による契約内容の確認」が行われます。その確認の際に、本人が契約内容をしっかり理解できていると判断されれば、家族信託をすることができます。
上記のように、認知症発症後であっても、例外的に家族信託を利用できる場合はありますが、多くの場合手遅れとなります。老人ホームに入居させるためにまとまったお金が必要となっても、本人の財産から引き出すことができなくなってしまうことも考えられるため、早めに家族信託契約を結んでおくことが重要です。
認知症を発症してしまい、家族信託の利用が不可能な場合は、成年後見制度の利用を検討しましょう。
司法書士 竹内康二は、新宿区や中野区、杉並区、豊島区などを中心に東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県のご相談を承っております。家族信託契約書の書き方や、家族信託の手続き、注意点など、家族信託をめぐる問題でお悩みの際は、当事務所までご連絡下さい。
家族信託は認知症発症後でも利用できる?
司法書士 竹内康二が提供する基礎知識
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