■仮登記とは
仮登記とは、今すぐには本登記をすることができない場合に、将来的にその不動産の権利を得る優先順位を確保するために行う登記です。本登記ができるようになるまで待っていると、その間に他の人が本登記を得て、結局その不動産の権利を取得できなくなるという危険を防止することを目的とします。
本来は、本登記をした順番によってその物件の権利を取得する優先順位が決まります。しかし、本登記をするための要件上多少の不備しかない場合にも登記がまったくできないとなると、当事者にとって非常に不利益となるため、それを防ぐものとして「仮登記」が認められています。
■仮登記の種類
仮登記には2種類あり、不動産登記法第105条1号、2号で規定されているため、それぞれ「1号仮登記」と「2号仮登記」と呼ばれます。
・1号仮登記
当事者間では実体上の権利変動(売買など)があるが、登記の申請に必要な手続き上の条件が満たされていない場合に行う仮登記です。具体的には、売買によって所有権が移転しているものの、登記識別情報がそろっていないために、所有権移転登記の本登記ができない場合に行われます。
所有権移転仮登記、抵当権設定仮登記などが該当します。
・2号仮登記
当事者間で、現時点において実体上の権利変動が生じていないが、将来生じる権利変動の請求権を保全する必要がある場合に設定する登記です。具体的には、売買の予約がされた場合などに設定します。
所有権移転請求権仮登記、条件付き所有権移転仮登記などが該当します。
■仮登記の効力
仮登記はあくまで本登記の“予約”であるため、本登記にはある、第三者への対抗力がありません。もっとも、仮登記の後に本登記をする際に、仮登記の順位・順番で本登記がされます。この仮登記の効力を、「順位保全効力」といいます。
仮登記の後に本登記を設定することで、その物件に関する権利を第三者に対抗できる、対抗力を備えることができます。例えば、売主がその物件を第三者と自分に二重販売した場合でも、仮登記をしておけば、あとから購入した第三者にその物件の所有権を主張することができるのです。
もっとも、本登記を行うためには、現時点でその物件を所有している名義人の承諾が必要となるため、その承諾を得てから本登記を行うこととなります。
当事務所では、新宿区、中野区、杉並区、豊島区を中心に東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の年金を広いエリアで「相続」、「不動産登記」、「家族信託」などに関するご相談を承っております。「売買の登記」に関してお困りのことがございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。
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